思い出5

2006年7月12日コメント (1)
MTGを始める事になった俺。
当初は何もかもがワクテカでどんなカードも凄まじくかっこよく映る。
流石に二人で始めるには心細いという事で他にも何人かの仲間を半ば強引に引き込み、
友人間で細々とやり始めた。

俺を筆頭とした完全な新参者達は当初のスタンダード
(MTGには多数のフォーマットがあり、最もベーシックな物)の
最新エキスパションであったインベイジョンのストラクを購入する事にした。
また別途でパックを買っては色があえば闇雲にカードを投入し、
強い弱いの判断など些細な問題としてひたすらにオモシロさを追求した。

ちなみに俺が始めに選んだストラクは赤黒のハンデスデッキみたいなもので、
格段に使いづらく買い足したパックでドンドンビートダウン寄りになっていった。

そして初めてのパック購入。
7thとアポカリプスの2パックを購入し、
《神の怒り》+《ラノワールの高原(FOIL)》という神引きを果たす。
しかしながら残念な事に俺にはそれらのカードの価値がイマイチわからなかった。
神の怒りはその低コスト及び飛びぬけたリセット能力からして
ある程度の価値はあるのだろうと理解できたのだが、
ペインランドに関しては「毎回使う土地がいちいちダメージ
与えてきてちゃ話にならねーよ( ^ω^)」と吐き捨てた。

そしてある日、友人らと共に近所のカードショップで延々シングルを眺めていた時の事だ。

「トレードしませんか?」

小学校から通して知らない人からトレードを申し込まれるのは初めてだった。
その声の主は素晴らしく誠実そうな方で、
連れの小さい子はなんとなく目つきが鋭くて危ない感じもしたが、
そのお兄さんのオーラのお陰でそれすら打ち消されていたように思える。

当時そのショップには対戦スペース等は用意されておらず、
店の駐車場まで導かれてトレードすることとなった。

分厚いファイルにちびりそうになりながらも色々とカードを見せてもらう。
当時俺は赤と黒以外のカードにはほぼ全くと言って良いほど興味がなく、
レアと言えどもその2色以外のカードであれば友人らに配っていたほどだ。

そんな事もあってかその人のファイルのカードの量は凄まじい物の、
関心をそそられるのはごくごく一部のカードだけで、
それらのカードの効果を暫く読みふけった。

正確には眺めていた。


・・・・・英語で読めなかったのだ。
当時俺は中1でまだ英語など勉強し始めの頃でほとんど理解できず、
「This is a pen.」ですら紙一重だ。

それに気付いたその誠実な青年。

「カードの効果がわからないのかい?」
「はい(´・ω・`)」
「これはね、溶岩の巨人と言って」
「ええ」
「生け贄に捧げる事で全てに8点のダメージを与えるんだ!!11」
「凄いお( ^ω^)」
「かなりのレアでね」
「言われて見れば確かに強そうだお( ^ω^)」
「これとならなんとか交換できそうだけど、いる?」

《神の怒り》を指差して青年は言った。
俺は即答したね。

「お願いします」


「このラノワールの高原のFOILも出して欲しいんだけど」
「じゃあこれ出してください( ^ω^)」
「スキジックか。これも強いからね。」
「どうしても欲しいんです( ^ω^)」
「じゃあこれとこれとこれとこれと(ry」


「お願いします」

トレードが終わり、その青年はどこかへ去っていった。
まるで嵐が過ぎ去ったかのようで、
全てが終わった頃には俺のデッキは土地の方が多いのではないかと思うほどもぬけの殻のような状態で、
もはやデッキと呼ぶにはあまりにお粗末な「紙の束」であった。

また、溶岩の巨人が100円程度のカスレアであることを知ったのはその直後の事であり、
俺がそれを頑なに否定し続けたのも当然のことである。

必死にその強力さを見せ付けてやろうと努力したが、
もはや巨人が与える8点のダメージは俺に対するトドメでしかなかった。

コメント

nophoto
ななし
2006年7月21日9:22

ファイレクシアの闘技場をエルフのチャンピオンと
トレードした俺は一体…orz

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